【技術士一次試験】適正科目 必須用語のまとめ

技術士補

適正科目概要

 技術士一次試験の出題分野は以下の5つの群に分かれる。

  1. 技術者倫理
  2. 技術士法第4章、技術士倫理綱領
  3. 技術系学協定の倫理協定
  4. 技術士としてふさわしい行動
  5. 情報倫理
  6. 環境倫理
  7. 法令
  8. 社会的影響が大きな事故
  9. 製品・設計・工事上の欠陥

適正科目の試験問題は、事例を中心に上記10分野から均等に15問出題される。5肢択一方式により全問の解答が要求される。


1. 技術者倫理

1.1. 倫理とは

倫理:人類が自分たちの社会を構成・運営し、進歩させていくための基本的な規則。以下の3つの減速がある。

  • 倫理の黄金率
    • 自分の嫌なことは他人にしない、自分のしてほしいことを他人にする
  • 普遍化
    • 同じ判断が普遍化した場合に社会はどうなるのかをもとに判断、行為を行う
  • 権利の侵害
    • 他人の「知る権利」を侵害していないかも対象

1.2. 倫理の必要性

  • 武士道:無形の徳目
    • 技術者は技術によって社会に貢献するとともに、社会から技術を使うことを委託されている身
  • 技術者倫理教育
    • アメリカのABET(Accreditation Board for Engineering and Technology)にならって、1999年に日本技術者教育認定機構(JABEE: Japan Accreditation Board for Engineering Education)は、「工学教育の品質を保証するプログラム」の考えに則り、技術者教育プログラムを認定している。

2. 技術士法第4章、技術士倫理綱領

2.1. 技術士法第4章(技術士等の義務)

  • 3つの義務
    • 信用失墜行為の禁止
    • 秘密保持義務:違反に対しては、告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪である
    • 技術士の名称表示の場合の義務
  • 2つの責務
    • 技術士等の公益確保の責務
    • 技術士の資質向上の責務
  • 1つの制限
    • 技術士補の業務の制限等:技術士の補助以外の業務では技術士補の名称を表示して業務を行ってはならない

2.2. 技術士倫理綱領

7個の原則に基づく10ヶ条の技術者倫理

  • 公衆優先原則
    • 公衆の利益の優先
  • 持続性原則
    • 持続可能性の確保
  • 有能性原則
    • 有能性の重視
  • 真実性原則
    • 公正かつ誠実な履行
    • 秘密の保持
  • 正直性原則
    • 信用の保持
  • 専門職原則
    • 相互の協力
    • 法規の遵守等
    • 継続研磨

2.3. 技術士プロフェッション宣言

行動原則

  • 自らの技術に対する責任
  • 顧客に対する責任
  • 社会に対する責任

3. 技術系学協定の倫理協定

  • 土木技術者の信条および実践要項:日本で一番古い技術系学協会の倫理協定
  • 技術系学協定で定めている倫理協定では、技術者に努力目標を求めているが処分を明記している例はない
    • ただし、技術士は技術士法により、公益確保の責務があり、単なる努力目標ではない
  • 出題の多い技術系学協定倫理規程

4. 技術士としてふさわしい行動

  • 警笛鳴らし:内部告発
    • 警笛鳴らしを行ったものは、公益通報者保護法により守られる
    • 以下3点を実施した上で、組織がしかるべき対応をとらない場合に認められる行為
    • 公衆に被害が及ぶか
    • 組織の中で上司には報告したか
    • 上司に報告することによって、問題が隠蔽される、自分が不合理な扱いを受けるなどのしかるべき理由があるか
  • ハインリッヒの法則
    • 労働災害で重症にいたる重大な災害の前には、経度な事故が29件、ヒヤリハットが300件あるという統計の結果

5. 情報倫理

5.1. 情報倫理の基本的な課題

  • メイソンが挙げた4つの課題(PAPA)
    • プライバシー(Privacy)
    • データの正確性(Accuracy)
    • 知的財産権(Property)
    • アクセス可能性(Access)
  • セバーソンの挙げた4つの課題
    • 知的財産権の尊重
    • プラーバシーの尊重
    • 情報開示の原理
    • 無危害の原理

5.2. 知的財産権

  • 知的財産権:知的創造活動によって生み出されたものを国が保護する制度
    • 登録・完全に公開された知的創造物について創作者を保護する
  • オリジナリティの尊重
    • 成果創出にあたっては、独自の価値の創出を目指す
    • 他者の研究開発、発明等の内容を十分に把握した上で、他者の権利侵害を避ける
    • 複数の関係者によって成果を創出した場合、貢献した者への寄与、貢献範囲を明確にする
    • 他者が行った分析、比較、評価等の成果を利用する場合は、その出所を明確にする
  • 著作権の保護
    • 国もしくは地方公共団体の機関、独立行政法人または地方独立行政法人が公表する航法資料、調査統計資料、報告書などは説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる

6. 環境倫理

6.1. 基本的な主張

  • 自然における生存権の問題(生物保護)
    • 人間だけでなく、生物の種、生態系、警官などにも生存権を認める倫理
  • 世代間倫理の問題(世代間倫理)
    • 現代世代が未来世代の生存の可能性に対して責任があるとする倫理で、環境を次世代に引き継ぐ世代間の倫理
  • 地球全体主義(地球の有限性)
    • 地球は閉じた宇宙とみなす倫理

6.2. 持続可能な開発

  • ブルトラント報告
    • 1987年の国連の環境と開発に関する世界委員会の最終報告書「Our Common Future」
    • この報告書で、持続可能な開発とは、将来の世代の荷^ずを満たしつつ、現代の世代のニーズをも満足させるような開発と定義
  • 国連地球サミット(リオデジャネイロ宣言)
    • 1992年のサミットでブルトラント報告に基づき、環境と開発に関するリオデジャネイロ宣言やアジェンダ21の合意が成立
  • ヨハネスブルグ・サミット
    • 2002年の世界首脳会議でアジェンダ21の成果を検証
    • 最大の問題としてアフリカなどでの貧困が挙げられている
  • 国連持続可能な開発会議(リオ+20)
    • 環境保全と経済成長の両立を満たす「グリーン経済」を盛り込んだ宣言が採択されたが、目標に乏しい
  • 第四次環境基本計画
    • H.24の4月に閣議決定。「低炭素社会」、「循環型社会」、「自然共生社会」を構築することが必要とした。

6.3. 環境保全対策の3原則

  • 予防の原則
  • 汚染者負担の原則
  • 拡大生産者責任

7. 法令

以降に記載しているもの以外にも、特許法・個人情報保護法・公益通報者保護法・独占禁止法など様々な法整備が整えられている。

7.1 製造物責任法(PL法)

  • 製造物の欠陥により、人の生命、身体、財産にかかる被害が生じた場合、その製造業者等が損害賠償の責任を負う
  • 損害、製造物の欠陥、因果関係が明確であれば被害者は損害賠償を請求することができる(無過失責任)
  • PL法における製造物は、製造・加工された動産を指す

7.2. 情報公開法

  • 行政機関の職員が業務上作成・取得した文書・図画・電磁的記録で、組織的に用いるものとして行政機関が保有している情報に関しては何人でも開示を請求することができる
  • 個人情報などの不開示情報が記録されている場合を除き開示しなければならない

7.3. 消費生活用製品安全法

  • 特定製品の製造、販売を規制するとともに、製品事故の情報収集・提供により一般消費者の保護を目的とする
  • 消費者自身による保守が難しいもの(ガス瞬間湯沸かし器など9種)については、持ち主に点検の時期の通知や応諾を義務付けた「長期使用製品安全点検制度」がある

8. 社会的影響が大きな事故

  • 機械工学の3大事故
    • アメリカ・ワシントン州のタコマ橋落下
    • 吊橋が共振により落下した事故。吊り橋は静的な力だけでなく動的な力も考慮して設計されるようになった。
    • コメットジェット旅客機の空中分解
    • 胴体が圧力を繰り返し受けることによる金属疲労により劣化し空中分解した事故
    • リバティ船の脆性破壊
    • 従来リベットにより接合されていた部分を溶接で行ったことにより1000件以上の損傷と事故が報告された。
  • コロンビア号の空中分解事故
    • 断熱材の剥離の破片が、翼に衝突し破損した結果、空中分解した
  • エレベータ事故、回転ドア事故など
    • ヒヤリハットの放置による死亡事故

9. 製品・設計・工事上の欠陥

  • 環境や情勢が変わることで、業務用の製品を素人が用いるようになり、従来は顕在化していなかった欠陥が見えてくることがある。(業務用シュレッダーが一般家庭に置かれることで幼児が指を挟む事故など)
  • 出題としては実際にあった事故を題材としていることが多い

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