基礎科目概要
技術士一次試験の出題分野は以下の5つの群に分かれる。
- 設計・計画に関するもの:設計理論、システム設計、品質管理など
- 情報・論理に関するもの;アルゴリズム、情報ネットワークなど
- 解析に関するもの:力学、電磁気学など
- 材料・化学・バイオに関するもの:材料特性、バイオテクノロジーなど
- 環境。エネルギー・技術に関するもの:環境、エネルギー、技術史など
それぞれに対して6問ずつ出題され、3問ずつの解答が要求される(15問/30問)。合格条件は50%であり、過去問題の類似問題が多い。このため、過去問題の出題系統に着目して、必要な知識を身につけることが要求される。
1. 設計・計画
1.1. 設計理論
■設計の種類
- 定型的設計:わずかな改良・変更
- 設計支援の活用が有効。同じ活動が繰り返される場合は規則、作業を繰り返す場合は標準。もっとも効率的な方式を選び出して定めたものは技術標準。
- 類似設計:ユニット組立的設計
- 相似設計:「全体相似の法則」に基づく設計法
- 創造的設計:未経験の分野に用いる機械・装置・システムなどの計画・設計
- TRIZ:創造設計原理
- 要求→機能→機構→構造のプロセスを順に進める方式
■設計の工程
- 概念設計;構想設計
- 機能設計;基本設計
- 規模に応じて望ましい技術手段を選択する必要がある→好適方式(好適設計)
- ほとんどの場合、好適方式によって方式は定まってしまう→好適規模配分方式(例:海洋石油掘削リグでは、掘る深さに応じて方式は(ほとんど)一意に定まる)
- 構成設計;生産設計
■検査
- ISO9000:2000「品質マネジメントシステムの基本および用語」
- ISO9001:2000「品質マネジメント8原則」
- 顧客重視、リーダシップ、人々の参画、プロセスアプローチ、マネジメントへのシステムアプローチ、継続的改善、意思決定への事実に基づくアプローチ、供給者との恩恵関係
- ISO14000「環境マネジメント」
- ISO10006「品質マネジメントシステム-プロジェクトにおける品質マネジメントの指針」
- ISP9004「プロジェクトの製品に関連するプロセスにおける品質およびプロセスアプローチ」
- ISO10006はISO9004をプロジェクトマネジメントの側から補完するもの
1.2. システム設計
■システムの分類
- 環境との相互関係から見た分類
- 開システム:周辺環境と情報、物質、エネルギーの交流がある
- 閉システム:〃がない
- 入出力関係からみた分類
- 単方向、双方向(情報の流れ)
- 静的システム、動的システム(時間軸)
- 線形、非線形(線形性)
- 連続、不連続(時間の連続性)
■システム計画の手順
- ニーズ分析
- システム分析
- ORや数理計画法、ゲーム理論など
- 待ち行列の計算:単位時間当たりに待ち行列にくる到着者数に分布はポアソン分布に従い、それの処理に要する時間は指数分布に従うとすると、平均応答時間は以下のとおり。
$$
平均応対時間(待ち時間+処理時間) = \frac{1}{{1-\rho}}\cdot\frac{1}{\mu}
$$
ただし、$\mu$は単位時間あたりの平均処理人数、$\rho$は処理率($\lambda/\mu$)、$\lambda$は単位時間当たりの平均到着者数である。
- システム分析
- 目標設定
- 機能分析
- システムのモデル化
- シミュレーション
- 目的の明確化
- データの収集
- モデリング
- シミュレータの作成と実験
- 結果の評価と分析
- 評価
- 仕様の決定
■システム計画技法
- 予測技法
- 直感的予測技法:人間の直感を社会走行から修正し、収束する。
- 探索的予測技法:現在までの傾向から将来の変化を予測する。
- 規範的予測技法;技術・環境・社会の要請から未来への技術目標を規範として、現在ー未来館の技術開発を推論する。
- フィードバック:直感的予測技法と規範的予測技法の組み合わせ
- 構造化技法
- 問題の構造を明確化して、モデル化する(例:KJ法、ISM、DEMATEL、PPDSなど)
- 評価技法
- マトリックス技法
- 関連樹木法
- 費用ー効果分析
- TA(Technology Assesment))、EA(Environment Assesment)
1.3. 品質管理
■品質管理手法
- QC7つ道具:数値データ分析手法(定量的)
- グラフ・管理図
- 層別
- パレート図:出現頻度の大きい順に並べ、棒グラフや累積曲線で表す
- ヒストグラム
- 特性要因図:影響を及ぼす要因の関連を整理
- 散布図:相関関係
- チェックシート
- 新QC7つ道具:言語データ分析手法(定性的)
- 連関図法:因果関係を明確にする
- KJ法:BS法などにより集めた多量のデータを群化・統合し、関係を図形化する。
- マトリックス図法:問題としている事象の中から対になる要素を見つけ出し、行と列に配置し、関連の有無や関連度合いを表示
- マトリックスデータ解析法
- PDPC(Process Decision Program Chart)法:事態の新t年と想定される問題について、望ましい結果に至るプロセスを定める。
- アローダイヤグラム法
- PERTやCPMで用いられる日程計画のためのネットワーク図で、最適の日程計画を立案し、効率よく進捗を管理する。
■保全
- 予防保全:事前に点検・整備
- 時間計画保全
- 状態監視保全
- 事後保全:故障発生後
- 緊急保全
- 通常事後保全(計画事後保全、非計画事後保全)
- 改良保全:同種の故障の最初防止のための設備の改良
- 保全予防:設備設計の段階から保全性のちょい設備を設計・製作し、設備の保全コストを少なくする。
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